注目度が高すぎるノーベル賞(Nobel Prize)なので、ウィキペディアの内容が非常に充実している。したがって、ノーベル賞そのものについては、この記事よりもウィキペディアを読んだ方が遥かに有意義である。
この記事は、日本大学ランキングのノーベル賞篇と主要国際賞部門を作成するのに、日本の大学にゆかりのあるノーベル賞受賞者と関係する日本の大学に関する情報が必要だったという理由から、書かれただけの存在である。
概要
第1回授与 | 1901年(経済科学賞は1969年) |
部門 | 物理学、化学、生理学・医学、文学、平和、経済科学 |
授与 | 1年に1回、各部門3名まで |
賞金 | 1部門1億1700万円(900万スウェーデンクローナ) |
選考機関 | スウェーデン王立科学アカデミー(物理学、化学、経済科学) |
カロリンスカ研究所(生理学・医学) | |
スウェーデン・アカデミー(文学) | |
ノルウェー・ノーベル委員会(平和) | |
国 | スウェーデン、ノルウェー |
ノーベル賞は、権威の高さのみならず、賞金が高額なことでも有名である。しかし、受賞者が複数の場合、1億1700万円は分割されてしまう。私には全く関係のない話だが、できることなら単独で受賞したいものだ。
ノーベル経済科学賞
ノーベル賞ではない?
ノーベル経済科学賞は、正式には「アルフレッド・ノーベル記念 経済科学におけるスウェーデン中央銀行賞(The Sveriges Riksbank Prize in Economic Sciences in Memory of Alfred Nobel)」と言う。超長い。'Sveriges Riksbank'(スヴァリイェス・リクスバンク)は、日本で言う日本銀行、スウェーデンの中央銀行のことである。
経済科学賞に関しては、ノーベル財団が公式にノーベル賞ではないと否定しているにもかかわらず、公式サイトで「ノーベル賞」と全く同じように取り扱っているという矛盾がある。意味が全くわからないが、世間でもノーベル賞ということになっているのが現状なので、当記事でもノーベル賞とする。
日本人の受賞候補者
ということだが、残念ながら、現在のところ日本人のノーベル経済科学賞受賞者はいない。かつては、京大・阪大の森嶋通夫さんや東大の宇沢弘文さん・根岸隆さんらが受賞に近かったそうだ。
しかし森嶋先生は、根岸先生が当初よりずっと受賞者に推薦してくれていたそうだが、受賞には至らぬまま2004年にお亡くなりになった。宇沢先生は2014年に逝去し、根岸先生はご存命だが、受賞の機を逃してしまった感じがあるようだ。
現在日本人最有力候補と目されているのは、東大のご出身で、宇沢先生の弟子でもある米・プリンストン大学教授の清滝信宏さんである。清滝先生はノーベル賞受賞者予想として有名なトムソン・ロイター引用栄誉賞(現 クラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞)を2010年に受賞されている。経済学分野では、日本人唯一である。ぜひノーベル賞の受賞を期待したい。
日本の受賞
日本の大学に関係する受賞者一覧
日本の大学に関係するノーベル賞受賞者は全部門合計27名である。内25名が日本人で、Yoichiro NambuさんとShuji Nakamuraさんはアメリカの方である。
ノーベル物理学賞
受賞年 | 受賞者 | 日本の関係大学 |
---|---|---|
1949 | 湯川秀樹 | 京都大学学、講、教、大阪大学講、准 |
1965 | 朝永振一郎 | 京都大学学、筑波大学教、長 |
1973 | 江崎玲於奈 | 東京大学学 |
2002 | 小柴昌俊 | 東京大学学、修、准、教 |
2008 | 小林誠 | 名古屋大学学~博、京都大学助 |
Yoichiro Nambu | 東京大学学、修、助、大阪市立大学准、教 | |
益川敏英 | 名古屋大学学~助、京都大学助、教、東京大学准 | |
2014 | 赤崎勇 | 京都大学学、名古屋大学助~教 |
天野浩 | 名古屋大学学~助、教、名城大学講~教 | |
Shuji Nakamura | 徳島大学学、修 | |
2015 | 梶田隆章 | 埼玉大学学、東京大学修~教 |
ノーベル化学賞
受賞年 | 受賞者 | 日本の関係大学 |
---|---|---|
1981 | 福井謙一 | 京都大学学、講~教 |
2000 | 白川英樹 | 東京工業大学学~助、筑波大学准、教 |
2001 | 野依良治 | 京都大学学、修、助、名古屋大学准、教 |
2002 | 田中耕一 | 東北大学学 |
2008 | 下村脩 | 長崎大学学、助、名古屋大学研、准 |
2010 | 鈴木章 | 北海道大学学~助、准、教 |
根岸英一 | 東京大学学 | |
2019 | 吉野彰 | 京都大学学、修 |
ノーベル生理学・医学賞
受賞年 | 受賞者 | 日本の関係大学 |
---|---|---|
1987 | 利根川進 | 京都大学学、修 |
2012 | 山中伸弥 | 神戸大学学、大阪市立大学博、助、奈良先端科学技術大学院大学准、教、京都大学教 |
2015 | 大村智 | 山梨大学学、助、筑波大学研、東京理科大学修、北里大学准、教 |
2016 | 大隅良典 | 東京大学学~准、研 |
2018 | 本庶佑 | 京都大学学~博、教、東京大学助、大阪大学教 |
ノーベル経済科学賞
受賞者なし
ノーベル文学賞
受賞年 | 受賞者 | 日本の関係大学 |
---|---|---|
1968 | 川端康成 | 東京大学学 |
1994 | 大江健三郎 | 東京大学学 |
ノーベル平和賞
受賞年 | 受賞者 | 日本の関係大学 |
---|---|---|
1974 | 佐藤栄作 | 東京大学学 |
部門別 日本の大学に関係する受賞者数まとめ
部門 | 受賞者数 |
---|---|
物理学賞 | 11 |
化学賞 | 8 |
生理学・医学賞 | 5 |
経済科学賞 | 0 |
文学賞 | 2 |
平和賞 | 1 |
合計 | 27 |
日本の大学に関係する受賞者数の推移
1901年から始まったノーベル賞だが、本来であれば受賞にふさわしくても、初期には人種差別や何かがあったりして、日本人はなかなか受賞できなかった。1949年になってようやく、物理学賞が大阪大学の(受賞時は京都大学に在籍)湯川秀樹さんに授与され、これが日本人初の受賞となった。
その後ぽつぽつ日本人受賞者が増え、2000年に入ってから激増している。この調子でいけば、線はやがて垂直になるのではないかとさえ思えてくる。
部門別 日本の大学に関係する受賞者数の推移
部門別に見ると、化学賞の受賞者が2000年に入ってから急増しているが、物理学賞の受賞者が最も多い。生理学・医学賞は、意外にも1987年の利根川進さんから2012年の山中伸弥さんまで受賞者が出ておらず、2部門を追いかける形となっている。
経済科学賞は1969年に新設された部門で、現在まで日本の受賞者は0名である。文学賞と平和賞はどうでもいい。この2部門を気にするのは、東大の人達と村上春樹ファンだけだろう。
外部リンク