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暇潰しにでもなれば

日本大学ランキング2019-2020主要国際賞部門 京大と名大のデッドヒート、行方

 大して読まれもしない、このブログ。一番人気は、日本大学ランキング2019-2020ノーベル賞篇 京大と名大のデッドヒートである。特に目新しい情報が出てくるわけでもなく、何がそんなに面白いのか、私にはさっぱりわからないのだが、他の記事はもう全部削除してしまっても良いのではないかとさえ思えてくるほど圧倒的なアクセス数である。このブログの中では。

 ノーベル賞の大学ランキングがあるのは良いとしても、日本のノーベル賞受賞者は絶対数が少ない。そのため、それを総合ランキングの一部門にしてしまうのは問題があるということから、生まれたのが主要国際賞部門である。

 新規性もあって、日本大学ランキングシリーズ全記事の中で、私はこの部門が断トツで面白いと思っていると同時に、断トツで時間と労力を費やしているのだけれど、誰にも読まれない記事と化している。しょせんノーベル賞なんざエンターテイメントに過ぎないということなのだろう。

ノーベル賞篇の問題点

 日本の大学に関係するノーベル賞受賞者の数は2018年までで23個と少なく、栄誉を受けた大学に偏りが見られる。ノーベルメダルを獲得できるかどうかは、ある程度運に左右されるというのが現状である。

 名古屋大学・京都大学・東京大学に関しては、その実力を疑う余地はない。しかし、旧帝国大学でありながら唯一ノーベルメダルを1個も獲得できていない九州大学など、本来の実力を発揮できていない大学があるかもしれない一方、メダルを獲得したのが運によるものであった大学もあるかもしれない。

 ノーベル賞のみで大学を順位付けすることは、前者には本来の実態に見合わない低い得点を、後者、特に規模の小さい大学に対しては、高い得点を与えてしまうという欠点がある。

主要国際賞

 この問題を克服するために用意したのが主要国際賞である。主要国際賞というのは、私が勝手に作った用語で、ノーベル賞にも引けを取らぬよう、国際的に権威ある学術賞を7つ選定した。概要は以下の通りである。なお、学問とは関係のない部門は除外している。

主要国際賞一覧
主要国際賞 学問分野      
ノーベル賞 物理学、化学、生理学・医学、経済学
フィールズ賞 数学
ウルフ賞 農学、化学、数学、医学、物理学
ラスカー賞 医学
クラフォード賞 天文学、数学、地球科学、生物科学、関節炎
チャーン賞 数学
エコノメトリカ会長 経済学

 エコノメトリカ会長(The Econometric Society会長)は、その名称の通り、賞ではないのだが、分野間の偏りを避けるために、特例で主要国際賞に算入させた。

 この改良によって、運の要素を一定程度排除し、より精度の高い大学ランキングをつくることができた。つまり、日本の大学に対する国際的な評価、真の実力が如実に反映されたというわけだ。

 研究水準の高さに定評のある東北大学、我こそが日本3位と言って憚らない東京工業大学など、主要国際賞では、どれだけ受賞者数を伸ばすことができるだろうか。旧帝国大学の中で唯一ノーベル賞ゼロという無残な結果に終わった九州大学には、今回こそは期待したいものである。

主要国際賞と日本の大学に関係する受賞者一覧

 日本の大学に関係する主要国際賞の受賞者と、各受賞者が教育を受けた、また研究を行った日本の大学の一覧を賞ごとに示す。経歴として認めるのは、受賞者が大学入学から定年退官までに第一義で所属した大学である。

 大学名や職位名は現代における表記で統一する。

  • 京都帝国大学→京都大学
  • 助教授→准教授

略語
学:学士
修:修士
博:博士
助:助手・助教
講:講師
准:准教授
教:教授
長:総長・学長
研:研究生

ノーベル賞

ノーベル物理学賞

ノーベル物理学賞
受賞年 受賞者 日本の関係大学
1949 湯川秀樹 京都大学学、講、教、大阪大学講、准
1965 朝永振一郎 京都大学、筑波大学教、長
1973 江崎玲於奈 東京大学
2002 小柴昌俊 東京大学学、修、准、教
2008 小林誠 名古屋大学学~博、京都大学
Yoichiro Nambu 東京大学学、修、助、大阪市立大学准、教
益川敏英 名古屋大学学~助、京都大学助、教、東京大学
2014 赤崎勇 京都大学、名古屋大学助~教
天野浩 名古屋大学学~助、教、名城大学講~教
Shuji Nakamura 徳島大学学、修
2015 梶田隆章 埼玉大学、東京大学修~教

ノーベル化学賞

ノーベル化学賞
受賞年 受賞者 日本の関係大学
1981 福井謙一 京都大学学、講~教
2000 白川英樹 東京工業大学学~助、筑波大学准、教
2001 野依良治 京都大学学、修、助、名古屋大学准、教
2002 田中耕一 東北大学
2008 下村脩 長崎大学学、助、名古屋大学研、准
2010 鈴木章 北海道大学学~助、准、教
根岸英一 東京大学
2019 吉野彰 京都大学学、修

ノーベル生理学・医学賞

ノーベル生理学・医学賞
受賞年 受賞者 日本の関係大学
1987 利根川進 京都大学学、修
2012 山中伸弥 神戸大学、大阪市立大学博、助、奈良先端科学技術大学院大学准、教、京都大学
2015 大村智 山梨大学学、助、筑波大学、東京理科大学、北里大学准、教
2016 大隅良典 東京大学学~准、研  
2018 本庶佑 京都大学学~博、教、東京大学、大阪大学

ノーベル経済科学賞

受賞者なし

フィールズ賞

フィールズ賞
受賞年 受賞者 日本の関係大学
1954 小平邦彦 東京大学学、講、教、筑波大学
1970 広中平祐 京都大学学、修   
1990 森重文 京都大学学、修、助、教、名古屋大学講~教

 ノーベル賞に続き、またしても京都大学が2名でトップとなり、おなじみの東京大学・名古屋大学・筑波大学が各1個のメダルを獲得した。他大学との差は開く一方である。

ウルフ賞

農学部門

受賞者なし

化学部門

化学部門
受賞年 受賞者 日本の関係大学  
2001 野依良治 京都大学学、修、助、名古屋大学准、教
2018 藤田誠 千葉大学学、修、助~准、名古屋大学、東京大学

数学部門

数学部門
受賞年 受賞者 日本の関係大学   
1984/5 小平邦彦 東京大学学、講、教、筑波大学
1987 伊藤清 東京大学、名古屋大学、京都大学
2002/3 佐藤幹夫 東京大学学、助、教、筑波大学修、講、大阪大学、京都大学

医学部門

医学部門
受賞年 受賞者 日本の関係大学   
1986 早石修 大阪大学学、助、京都大学
1994/5 西塚泰美 京都大学学~助、准、神戸大学教、長
2011 山中伸弥 神戸大学、大阪市立大学博、助、奈良先端科学技術大学院大学准、教、京都大学

物理学部門

物理学部門
受賞年 受賞者 日本の関係大学
1994/5 Yoichiro Nambu 東京大学学、修、助、大阪市立大学准、教
2000 小柴昌俊 東京大学学、修、准、教

 ウルフ賞においても、京都大学と東京大学の関係者が目立っている。名古屋大学もまずまずの結果で、ノーベル賞では存在感の薄かった大阪大学が2名の受賞者を輩出している。

ラスカー賞

アルバート・ラスカー基礎医学研究賞

アルバート・ラスカー基礎医学研究賞
受賞年 受賞者 日本の関係大学
1982 花房秀三郎 大阪大学学、研、助  
1987 利根川進 京都大学学、修
1989 西塚泰美 京都大学学~助、准、神戸大学教、長
1998 Yoshio Masui 京都大学学、修、甲南大学助~准
2009 山中伸弥 神戸大学、大阪市立大学博、助、奈良先端科学技術大学院大学准、教、京都大学
2014 森和俊 京都大学学~博、准、教、岐阜薬科大学

ラスカー~ドゥベーキー臨床医学研究賞

ラスカー~ドゥベーキー臨床医学研究賞
受賞年 受賞者 日本の関係大学 
2008 遠藤章 東北大学、東京農工大学准、教

ラスカー~コシュランド医科学特別業績賞

受賞者なし

 とにかく京都大学が強過ぎる。山中伸弥教授がノーベル賞、ウルフ賞、ラスカー賞の医学3冠王を獲得された。日本人唯一の偉業である。

 その他めぼしい大学の中では、大阪大学が1名、東京大学・名古屋大学の関係者は0名であった。名門大学の中でも、ここまで受賞者に差が出るのも珍しい。

 ノーベル化学賞の田中耕一さんに続き、遠藤章さんがラスカー賞を受賞され、東北大学がようやくふたつ目のメダルを獲得した。本当、ようやく、である。残す賞は、あとわずかだ。

クラフォード賞

クラフォード賞
受賞年 学問分野 受賞者 日本の関係大学  
2009 関節炎 岸本忠三 大阪大学学~助、教、長、九州大学
平野俊夫 大阪大学学、准~長、熊本大学
2015 生物科学 太田朋子 東京大学
2017 関節炎 坂口志文 京都大学学~博、教、大阪大学
2018 地球科学 Syukuro Manabe 東京大学学~博

 クラフォード賞では、これまで目立たなかった大阪大学が他を圧倒している。いずれの受賞者も免疫学の世界的権威と言われ、ノーベル賞の受賞候補者としても有名な方々である。

チャーン賞

チャーン賞
受賞年 受賞者 日本の関係大学 
2018 柏原正樹 東京大学学、修、名古屋大学、京都大学助、准、教

 栄誉を受けた大学についてなのだけれど、毎度おなじみ過ぎて、もう言うことは何もない。

エコノメトリカ会長

エコノメトリカ会長
就任年 就任者 日本の関係大学
1965 森嶋通夫 京都大学学、研、助~准、大阪大学准、教
1976 宇沢弘文 東京大学学、研、准、教
1994 根岸隆 東京大学学~助、准、教

 顔ぶれが名古屋大学から大阪大学に代わっただけである。あとは、強いて言うなら、賞ではないものを採用したことによって、東京大学には良い援護射撃になったわけなので、主要国際賞部門および総合ランキングで京都大学に負けたとしても、文句は言うなよ、というくらいである。

 まさか日本一の東京大学様が京都大学ごときに負けるというのは考えられないことだが、万が一にもそんなことになれば、笑いものである。吹き出さないよう、口元には十分注意しよう。

日本の大学に関係する受賞者数まとめ

賞別 メダル数

 日本の大学が獲得したノーベルメダルは24個であったが、主要国際賞では全部で53個となった。半分近くがノーベル賞なのは、ノーベル賞が最も歴史が古いのと、毎年の授与者数が多いからである。

賞別 メダル数
メダル数
ノーベル賞 24
フィールズ賞 3
ウルフ賞 10
ラスカー賞 7
クラフォード賞 5
チャーン賞 1
エコノメトリカ会長 3
合計 53

賞別 主要国際賞メダル数

分野別 受賞者数

 同一研究者の重複受賞分を除くと、日本の大学に関係する主要国際賞の受賞者は45名である。学問分野別に内訳を示したのが下の表である。クラフォード賞の関節炎は医学に含め、ウルフ賞の農学部門とクラフォード賞の天文学・地球科学・生物科学は「その他」の項目にまとめた。

分野別 受賞者数
学問分野 受賞者数
数学 6
物理学 11
化学 9
医学 14
経済学 3
その他 2
合計 45

分野別 主要国際賞受賞者数

 医学分野の賞を多めに採用したことにより、医学が専門の受賞者が14名で最多となった。数学の賞も数自体は多く見えるが、実際には、ウルフ賞の数学部門以外は4年に1回しか授与されないため、日本の数学者はかなり頑張っている印象である。

大学別 受賞者一覧

 次に、受賞者を大学別にまとめなおす。

京都大学

京都大学
分野 受賞年 受賞者 経歴
ノーベル賞 物理 1949 湯川秀樹 学、講、教
1965 朝永振一郎
2008 小林誠
益川敏英 助、教
2014 赤崎勇
化学 1981 福井謙一 学、講~教
2001 野依良治 学、修、助
2019 吉野彰 学、修
医学 1987 利根川進 学、修
2012 山中伸弥
2018 本庶佑 学~博、教
フィールズ賞 数学 1970 広中平祐 学、修
1990 森重文 学、修、助、教
ウルフ賞 化学 2001 野依良治
数学 1987 伊藤清
2002/3 佐藤幹夫
医学 1986 早石修
1994/5 西塚泰美 学~助、准
2011 山中伸弥
ラスカー賞 医学 1987 利根川進
1989 西塚泰美
1998 Yoshio Masui 学、修
2009 山中伸弥
2014 森和俊 学~博、准、教
クラフォード賞 医学 2017 坂口志文 学~博、教
チャーン賞 数学 2018 柏原正樹 助、准、教
エコノメトリカ会長 経済 1965 森嶋通夫 学、研、助~准

東京大学

東京大学
分野 受賞年 受賞者 経歴
ノーベル賞 物理 1973 江崎玲於奈
2002 小柴昌俊 学、修、准、教
2008 Yoichiro Nambu 学、修、助
益川敏英
2015 梶田隆章 修~教
化学 2010 根岸英一
医学 2016 大隅良典 学~准、研
2018 本庶佑
フィールズ賞 数学 1954 小平邦彦 学、講、教
ウルフ賞 化学 2018 藤田誠
数学 1984/5 小平邦彦
1987 伊藤清
2002/3 佐藤幹夫 学、助、教
物理 1994/5 Yoichiro Nambu
2000 小柴昌俊
クラフォード賞 生物 2015 太田朋子
地球 2018 Syukuro Manabe 学~博
チャーン賞 数学 2018 柏原正樹 学、修
エコノメトリカ会長 経済 1976 宇沢弘文 学、研、准、教
1994 根岸隆 学~助、准、教

名古屋大学

名古屋大学
分野 受賞年 受賞者 経歴
ノーベル賞 物理 2008 小林誠 学~博
益川敏英 学~助
2014 赤崎勇 助~教
天野浩 学~助、教
化学 2001 野依良治 准、教
2008 下村脩 研、准
フィールズ賞 数学 1990 森重文 講~教
ウルフ賞 化学 2001 野依良治
2018 藤田誠
数学 1987 伊藤清
チャーン賞 数学 2018 柏原正樹

大阪大学

大阪大学
分野 受賞年 受賞者 経歴
ノーベル賞 物理 1949 湯川秀樹 講、准
医学 2018 本庶佑
ウルフ賞 数学 2002/3 佐藤幹夫
医学 1986 早石修 学、助
ラスカー賞 医学 1982 花房秀三郎 学、研、助
クラフォード賞 医学 2009 岸本忠三 学~助、教、長
平野俊夫 学、准~長
2017 坂口志文
エコノメトリカ会長 経済 1965 森嶋通夫 准、教

筑波大学

筑波大学
分野 受賞年 受賞者 経歴
ノーベル賞 物理 1965 朝永振一郎 教、長
化学 2000 白川英樹 准、教
医学 2015 大村智
フィールズ賞 数学 1954 小平邦彦
ウルフ賞 数学 1984/5 小平邦彦
2002/3 佐藤幹夫 修、講

その他

その他
分野 受賞年 受賞者 経歴
大阪市立大学
ノーベル賞 物理 2008 Yoichiro Nambu 准、教 
医学 2012 山中伸弥 博、助
ウルフ賞 医学 2011 山中伸弥
物理 1994/5 Yoichiro Nambu
ラスカー賞 医学 2009 山中伸弥
神戸大学
ノーベル賞 医学 2012 山中伸弥
ウルフ賞 医学 1994/5 西塚泰美 教、長
2011 山中伸弥
ラスカー賞 医学 1989 西塚泰美
2009 山中伸弥
東北大学
ノーベル賞 化学 2002 田中耕一
ラスカー賞 医学 2008 遠藤章
北里大学
ノーベル賞 医学 2015 大村智 准~教
九州大学
クラフォード賞 医学 2009 岸本忠三
熊本大学
クラフォード賞 医学 2009 平野俊夫
千葉大学
ウルフ賞 化学 2018 藤田誠 学、修、助~准
東京工業大学
ノーベル賞 化学 2000 白川英樹 学~助
東京農工大学
ラスカー賞 医学 2008 遠藤章 准、教
東京理科大学
ノーベル賞 医学 2015 大村智
徳島大学
ノーベル賞 物理 2014 Shuji Nakamura 学、修
長崎大学
ノーベル賞 化学 2008 下村脩 学、助
北海道大学
ノーベル賞 化学 2010 鈴木章 学~助、准、教
(奈良先端科学技術大学院大学)
ノーベル賞 医学 2012 山中伸弥 准、教
ウルフ賞 医学 2011 山中伸弥
ラスカー賞 医学 2009 山中伸弥
(岐阜薬科大学)
ラスカー賞 医学 2014 森和俊
(甲南大学)
ラスカー賞 医学 1998 Yoshio Masui 助~准
(埼玉大学)
ノーベル賞 物理 2015 梶田隆章
(名城大学)
ノーベル賞 物理 2014 天野浩 講~教
(山梨大学)
ノーベル賞 医学 2015 大村智 学、助

 さて、旧帝国大学の中で唯一ノーベル賞受賞者を輩出できていない九州大学だが、ごっつぁんメダルを1個獲得した。北海道大学の関係者には悪いと思ってはいる。北海道大学が生粋の北大人であるノーベル賞の鈴木章さん1に対して、九州大学にも、クラフォード賞の岸本忠三さんが若かりし日にちょこちょこっと助手をされただけなのに、同じ受賞者1名ということにした。

 わかりやすい経歴の方は良くても、中には複雑な経歴をお持ちの方もいらっしゃる。なので、主観は一切排除し、私は一定のルールに従って受賞者を各大学に配分しているだけなのだ。しかし、上位大学を見れば明白だが、0と1と2あたりは誤差の範囲内である。

大学別 受賞者数まとめ

大学・賞別 メダル数

 各大学の主要国際賞メダル数を賞別にまとめる。ちょっと見にくいのだけれど、表が崩れるのを阻止したいので、賞の名称は省略している。

略語
ノ:ノーベル賞
フ:フィールズ賞
ウ:ウルフ賞
ラ:ラスカー賞
ク:クラフォード賞
チ:チャーン賞
エ:エコノメトリカ会長

大学・賞別 メダル数
大学 メダル数
日本の大学全体 24 3 10 7 5 1 3 53
京都大学 11 2 6 5 1 1 1 27
東京大学 8 1 6   2 1 2 20
名古屋大学 6 1 3     1   11
大阪大学 2   2 1 3   1 9
筑波大学 3 1 2         6
大阪市立大学 2   2 1       5
神戸大学 1   2 2       5
東北大学 1     1       2
北里大学 1             1
九州大学         1     1
熊本大学         1     1
千葉大学     1         1
東京工業大学 1             1
東京農工大学       1       1
東京理科大学 1             1
徳島大学 1             1
長崎大学 1             1
北海道大学 1             1
奈良先端科学技術大学院大学 1   1 1       3
岐阜薬科大学       1       1
甲南大学       1       1
埼玉大学 1             1
名城大学 1             1
山梨大学 1             1

大学・賞別 主要国際賞メダル数

 京都大学が日本の大学で唯一主要国際賞全賞制覇の快挙を成し遂げた。ラスカー賞では、東京大学0名、受賞者7名中5名が京大関係者という異常事態を引き起こしている。

大学・分野別 受賞者数

 今度は、分野別に受賞者数をまとめる。

大学・分野別 受賞者数
順位 大学 受賞者数
数学 物理 化学 医学 経済
日本の大学全体 6 11 9 14 3 2 45
1 京都大学 5 5 3 8 1   22
2 東京大学 4 5 2 2 2 2 17
3 名古屋大学 3 4 3       10
4 大阪大学 1 1   6 1   9
5 筑波大学 2 1 1 1     5
6 大阪市立大学   1   1     2
神戸大学       2     2
東北大学     1 1     2
9 北里大学       1     1
九州大学       1     1
熊本大学       1     1
千葉大学     1       1
東京工業大学     1       1
東京農工大学       1     1
東京理科大学       1     1
徳島大学   1         1
長崎大学     1       1
北海道大学     1       1
奈良先端科学技術大学院大学       1     1
岐阜薬科大学       1     1
甲南大学       1     1
埼玉大学   1         1
名城大学   1         1
山梨大学       1     1

 表をざっと眺めると、化学と医学が受賞者の所属大学にある程度ばらつきがあるのに対し、数学と物理学は一部の大学に極端な集中が見られる。特に数学分野においては大学の集中度がすさまじく、受賞者を輩出したのは5校のみで、受賞者6名の内5名が京都大学関係者というのは驚くしかない。日本の数学は、京大・東大・名大の3大学で回っているようだ。

 名古屋大学は理学に強く、ほとんど京都大学に匹敵する受賞者を輩出している。大学の規模を考えれば、理学に関しては、京都大学よりも格上と言ってもよいのかもしれない。化学分野の受賞者数は日本一である。

 医学分野の受賞者を輩出した大学は多いが、京都大学と免疫学世界一の大阪大学が突出して多いのが特徴である。京阪が凄すぎるという面もあろうかとは思うのだけれど、東京大学がしょぼ過ぎである。また、理学に強い名古屋大学だが、現在のところ、医学分野の受賞者は0名である。

大学・分野別 主要国際賞受賞者数

 理学に強い名古屋大学と医学・経済学に強い大阪大学が手を組めば、国内最強の大学が出来上がりそうだ。しかし、アメリカのカリフォルニア大学バークレー校・ロサンゼルス校のようにすると、名古屋校・大阪校までは良いのだけれど、名阪大学なのか阪名大学なのかで、絶対揉めることになるだろう。

 ここは間をとって、大名古屋阪46大学とでもしておこう。

ノーベル賞と主要国際賞の受賞者数で見る大学の分析

 さすがに山中先生お一人で関係大学に3点もあげるわけにはいかないので、日本大学ランキング主要国際賞部門では、メダル数ではなく、受賞者数をデータに使う。ここからが本題である。

 さてさて、ここまで読み飛ばさずに来てくれた方は、恐ろしい真実に気づかずにはいられなかったはずだ。上の「大学・分野別 受賞者数」を書き換えただけなのだけれど、主要国際賞の受賞者数をノーベル賞とそれ以外に分けて、表にまとめた。はい、どーん。

大学別 ノーベル賞とその他賞の受賞者数内訳
大学 受賞者数
国際賞 内訳
ノーベル それ以外
京都大学 22 11 11
東京大学 17 8 9
名古屋大学 10 6 4
大阪大学 9 2 7
筑波大学 5 3 2
大阪市立大学 2 2 0
神戸大学 2 1 1
東北大学 2 1 1
北里大学 1 1 0
九州大学 1 0 1
熊本大学 1 0 1
千葉大学 1 0 1
東京工業大学 1 1 0
東京農工大学 1 0 1
東京理科大学 1 1 0
徳島大学 1 1 0
長崎大学 1 1 0
北海道大学 1 1 0
奈良先端科学技術大学院大学 1 1 0
岐阜薬科大学 1 0 1
甲南大学 1 0 1
埼玉大学 1 1 0
名城大学 1 1 0
山梨大学 1 1 0
合計 85 44 41

ノーベル賞とそれ以外の賞を両方受賞された方については、ノーベル賞に計上している。

主要国際賞 ノーベル賞と他

 はい。一部の大学に受賞者がめっちゃ偏った。ノーベル賞だけで見るより、半端ない格差社会である。もはや何らかの力が働いているとしか思えない。開く差は開くところまで開くしかない、ということなのだろうか。

 ノーベル賞だけでは本来の実力を発揮しきれなかった大学もあるかもしれないと思ったのだけれど、……、この記事の趣旨を理解してくれたのは大阪大学だけであった。ノーベル賞2個から大きく躍進して、受賞者9名という記録を残した。

 名古屋大学は、ノーベル賞受賞者を多数輩出したのが単なるまぐれではなかったことを証明してくれた。ノーベル賞についてグーグルで調べていると「名古屋大学 ノーベル賞 なぜ」という関連キーワードが表示されてしまったり、「なぜ名大はノーベル賞を量産できるのか」なんて記事があったりするけれど、それは多くの人がそう考えているからであって、それはつまり、東北大学・東京工業大学が1人なのに名古屋大学がそんなに多いわけない、九州大学が0のわけない、納得できない、おかしいなど、言ってしまえば世間からは名古屋大学が見下されているということだ。しかし、紛れもなく実力である。見ればわかるだろう。

 当たり前の話だが、国際的な学術賞を全然受賞できていない大学というのは名門大学とは到底言えない。だって、国際社会から評価されていないのだから。この条件を最低限満たしているのは、日本では、大阪大学まで上位4大学、あるいはせいぜいイケイケの筑波大学まで上位5大学のみである。泣けてくる。

 ノーベル賞篇では東京大学に肉薄した大阪市立大学であったが、主要国際賞部門では受賞者を全く増やすことができなかった。名古屋大学とは異なり、Yoichiro Nambuさんと山中伸弥さんに実績を引き上げてもらっていただけ、という構図が今回露呈した。主要国際賞部門では得点が随分下がるだろう。

 最後は、東北大学と東京工業大学についてである。この2大学は阪大・名大と共に、日本の大学3位争いに毎回参戦してくるが、もう今後は辞退を申し出てほしい。九州大学と北海道大学に関しては、申し訳ないが、両大学関係者と両地元の方以外に日本の大学3位だと考える人はいないと思う。

大学別 受賞者数推移

 「主要国際賞受賞者数の推移をチャートで観察しよう」企画である。誤差大学は邪魔なので除外する。複数の賞を受賞された学者さんについては、最初に受賞された年で計上している。

大学別 主要国際賞受賞者数推移

 あれっ、日本の大学って、そんなに京都大学が圧倒的な存在だったっけ?というグラフである。京都大学は、いついかなる時代も一度もどの大学にも負けたことはない。1964年以前は、大阪大学や筑波大学のチャートしか見えないが、京都大学の線は重なって隠れているだけである。

 東京大学は、長らく名大・阪大と同じ2番手グループの大学であった。しかし、一体どんな手を使ったのかわからないが、2015年以降大量のメダルを獲得し、東大が初めて京大を射程圏内に捉えた。チャート右端の鋭角が怖い。

日本大学ランキング2019-2020主要国際賞部門

 では最後に、大学の規模と受賞年を使って、日本大学ランキング2019-2020主要国際賞部門の得点を算出する。参考として、ノーベル賞篇と比較した順位と得点の変動を掲載する。

日本大学ランキング2019-2020主要国際賞部門
順位 序列 大学 区分 得点 変動
順位 得点
1 S 京都大学 国立 100.00 +1 +14.47
2 S 名古屋大学 国立 90.52 -1 -9.48
3 B 東京大学 国立 64.92 0 +9.28
4 B 大阪大学 国立 48.38 +5 +27.66
5   筑波大学 国立 37.92 0 -1.35
6   大阪市立大学 公立 24.57 -2 -26.27
7   神戸大学 国立 18.96 +4 -0.65
8   東京農工大学 国立 16.95
9   東北大学 国立 12.19 +5 -0.42
10   東京理科大学 私立 11.97 -4 -12.80
11   徳島大学 国立 11.74 -4 -12.55
12   熊本大学 国立 10.74
13   東京工業大学 国立 10.25 -5 -10.95
14   長崎大学 国立 9.80 -4 -10.48
15   千葉大学 国立 9.33
16   北里大学 私立 8.08 -4 -8.63
17   北海道大学 国立 7.42 -4 -7.93
18   九州大学 国立 7.30
  愛媛大学 0.00
大阪府立大学
岡山大学
鹿児島大学
金沢大学
岐阜大学
近畿大学
群馬大学
慶應義塾大学
首都大学東京
順天堂大学
信州大学
東京医科歯科大学
鳥取大学
富山大学
新潟大学
日本大学
広島大学
三重大学
山形大学
山口大学
横浜市立大学
早稲田大学

日本大学ランキング2020主要国際賞部門

 ノーベル賞篇と同じく、京大と名大の一騎打ち状態である。しかし、主要国際賞まで賞の範囲を広げたところ、京都大学が意地を見せ、日本一に躍り出た。ただ、医学分野の賞を多めに採用したため、医学に強い京大優位となってしまった感はある。分野間の偏りを解消できたら、結果はわからない。

 ノーベル賞篇と比較して、名古屋大学の順位および得点が下がったのは、京都大学が凄かったことによる相対的な変動であって、決して名古屋大学がダメだったからというわけではない。

 東京大学は地味に得点を上げたが、順位の変動はなかった。順位と得点を大幅に上げたのは大阪大学だけであった。筑波大学も悪くはない。私の目論見通り、真の名門大学以外はノーベル賞篇より得点を大幅に下げる結果となった。神戸大学と東北大学については、まさにゴミ山に混じる石っころといった様相で、得点をほぼ変えずして、順位が繰り上った。

 しかし、東北大学や東工大、九大、北大などは正直もう少し頑張ってくれると思っていたが、完全に期待外れであった。