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クラフォード賞 ノーベル賞の妹君 謎の関節炎

 このクラフォード賞の選考を行っているのがノーベル物理学賞、化学賞、経済科学賞の選考機関であるスウェーデン王立科学アカデミーなのだ。ノーベル賞では対象とならない学問を授与の対象とし、ノーベル賞を補完する役割があるそうだ。

概要

概要
第1回授与 1982年
学問分野 天文学、数学、地球科学、生物科学、関節炎
授与 1年に1回、1つの分野
原則1名、最大3名
賞金 7800万円(600万スウェーデンクローナ)
授与者 クラフォード財団
スウェーデン王立科学アカデミー
スウェーデン

 ノーベル賞の妹分に当たるだけあって、賞金が高額である。原則として受賞者は1名ということになっているが、実際には2~3名の共同受賞となる年が多い。その場合、賞金が共同受賞者で分割される点もノーベル賞と同じである。

関節炎って何!?

 「関節炎って、何!?」という話になりそうだが、これは、クラフォード賞の創設者であるホルガー・クラフォードさんが晩年、重度の関節炎で苦しんでいたことに起因しているようだ。「関節炎」というと違和感があるかもしれないが、典型的には免疫学が授与の対象となる。

 免疫学に関しては医学に分類されるため、ノーベル生理学・医学賞の授与対象となるわけだけれど、クラフォード賞を受賞してしまうと、ノーベル賞は受賞できないという噂があるとか、ないとか。実際にそういう決まりがあるのかまでは調べていないが、選考機関がノーベル賞と同じなので、選考にあたってクラフォード賞を受賞したことが考慮される可能性はあるのかもしれない。

独特な授与ルール

 多くの学術賞とは異なり、毎年5つの分野それぞれで受賞者が選出されるわけではない。以下の4分類の中から1つに賞が与えられるのがクラフォード賞の特徴である。

  1. 天文学と数学
  2. 地球科学
  3. 生物科学
  4. 関節炎

 天文学と数学は、2012年より同年に授与されることになった。

年1:天文学と数学
年2:地球科学
年3:生物科学
年4:天文学と数学
年5:地球科学
年6:生物科学
    ・
    ・
    ・

 基本的には、この3分類で一周し、関節炎については、授与に値する医科学の進展が認められる場合に限り、この順番に割って入ることになっている。とは言え、大体4年かけて4分類が一周することが多い。過去8年を抜粋すると、こんな感じである。

クラフォード賞 受賞者
受賞年 学問分野 受賞者
2019 生物科学 Sallie W. Chisholm
2018 地球科学 Susan Solomon
Syukuro Manabe
2017 関節炎 Shimon Sakaguchi
Fred Ramsdell
Alexander Rudensky
2016 数学 Yakov Eliashberg
天文学 Roger Blandford
Roy Kerr
2015 生物科学 Tomoko Ohta
Richard Lewontin
2014 地球科学 Peter Molnar
2013 関節炎 Robert J. Winchester
Peter K. Gregersen
Lars Klareskog
2012 数学 Jean Bourgain
Terence Tao
天文学 Reinhard Genzel
Andrea Ghez

日本の受賞

日本の大学に関係する受賞者一覧

 日本の大学に関係するクラフォード賞受賞者は5名である。内4名が日本人で、Syukuro Manabeさんはアメリカの方である。

日本の大学に関係する受賞者一覧
受賞年 学問分野 受賞者 日本の関係大学  
2009 関節炎 岸本忠三 大阪大学学~助、教、長、九州大学
平野俊夫 大阪大学学、准~長、熊本大学
2015 生物科学 太田朋子 東京大学
2017 関節炎 坂口志文 京都大学学~博、教、大阪大学
2018 地球科学 Syukuro Manabe 東京大学学~博

日本の大学に関係する受賞者数の推移

クラフォード賞 受賞者数推移

 クラフォード賞第1回目は1982年で、日本の大学関係者による初受賞は2009年、受賞者は大阪大学の岸本忠三さんと平野俊夫さんであった。

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外部リンク